前回に続きipコマンドの使い方を解説する。
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はじめに
今回は、ipコマンドに続けて指定するオブジェクトの種類を解説する。
また、オプションとオブジェクトを用いて、ipコマンドの基本的な使い方が完成する。これも紹介する。
主な使い方
以下の文法で使います。
$ ip [ Options ] Object { COMMAND }
Options/Object はこれまでまとめてきたものを当てはめる。
COMMAND については、指定したオブジェクトによって多種多様なオブジェクトが存在する。
ちなみによく使うコマンドとしては、add、delete、show、list などがある。
オブジェクト一覧
ちなみにipのオブジェクト引数は、省略形も存在する。今回は、省略形は()内に併記する。
address(addr, a)
デバイスのアドレス操作。IPv4/IPv6両方対応している。
addrlabel(addrl)
アドレスラベル制御で使用。詳細はRFC3484を参照
l2tp
L2TP トンネリングの制御に使用。プロトコルバージョンはL2TPv3となっている。
link(l)
ネットワークデバイスの操作に使用。いろいろな用途でよく使う。
maddress(maddr, m)
マルチキャストアドレス操作にに使用
monitor
netlink のメッセージの監視に使用
mroute(mr)
マルチキャストルーティング用のキャッシュ操作に使用
mrule
マルチキャストルーティングポリシーデータベース用のルールに使用
neighbour(neigh, n)
ARP と NDISC のキャッシュを管理に使用
netns
ネットワークネームスペースの制御に使用
ntable
neighbourのキャッシュ操作の管理に使用
route(r)
ルーティングテーブル操作に使用
rule(ru)
ルーティングポリシーデータベースのルール操作に使用
tcp_metrics/tcpmetrics
TCP のメトリクス管理に使用
token
トークン化されたインタフェース識別子の管理に使用
tunnel(t)
IP上のトンネリングで使用
tuntap
TUN/TAP デバイスの制御に使用
xfrm(x)
IPsecの制御に使用