komeの備忘録

東大院卒外資ITエンジニアの技術ブログ

続・モンハンワールドの解析をしてみた~akamai~

前回のモンスターハンターワールド、MHWのパケットを取得し解析を試みた。

前回記事: www.komee.org

その際にバックエンドのインフラについては、以下のことがわかった。

  • 基本的にAWSのEC2サーバと通信
  • 救難信号発信時のみ、akamaiのサーバと通信

前回も書いたがなぜ救難信号のみakamaiなのだろう?と気になったので、今回はそれに関して調べてみたことをまとめてみた。

目次

akamaiの特徴

少し古いがあきみちさんの記事にakamaiのことが詳しくまとめられていた。

https://www.geekpage.jp/blog/?id=2009/4/27/1

要約するとakamaiのサービスは、次の特徴を兼ね備えている

  • CDN
  • レスポンスが早い
  • ゲーム業界はだいたいみんなakamaiのサービスを使っている(含任天堂、ソニー)
  • SLA100%

CDN

CDNはContent Delivery Networkの略である。つまり、コンテンツをデリバリーすることに特化したネットワークである。 CDN業者の多くは、プロバイダの中に自社のサーバを設置している。これにより、コンテンツを配信することを高速化することに成功している。

例を示す。 日本から、アメリカのhogehogeというwebサーバにhttpリクエストを送った場合、光の物理的特性から、時間的な制約は限界がある。 一方で、CDNの技術では、hogehogeというwebサーバのコンテンツのコピーを、CDN業者と契約している日本にある、プロバイダ内のサーバに保持している。これにより、hogehogeというwebサーバのhttpリクエストは、直接太平洋を通ってアメリカまでは到達せず、国内の問い合わせのみで完結することができる。こうして物理的距離に起因する時間的制約を突破して、レスポンスの高速化を実現している。

また、このようにしてプロバイダ内にコンテンツのコピーを保持しているため、障害などにより回線やコネクションが不安定になっても、サービスを継続することができる。 実際あきみちさんのブログにも同様の事象が書かれていた。

このCDNの技術は長らくakamaiが特許をもっていたため、akamai以外の業者は使用することができなかった。現在は特許が切れたため、多くの業者が参入してきている。

ゲームへのakamai

これもあきみちさんの記事の引用ではあるが、ゲーム業界では多くの企業がakamaiのサービスを用いているそうだ。

モンスターハンターに限った話でいうと、モンスターハンターは世界中でプレイされるゲームである。また、救難信号はその名の通り緊急性が高く、全世界に配信される必要がある。こうした理由から、高速で、安定性の高いakamaiのサービスが選択されているのかなぁとも考えることができた。

まとめ

モンスターハンターは楽しいぞ!最近アップデートされたみたいだし、みんなでもっと楽しもう!

モンスターハンター:ワールド - PS4

モンスターハンター:ワールド - PS4

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